カルチャー

【再掲】第1回 レーニン 帝国の創始者(前編)

2024年12月16日


<span>【再掲】第1回 レーニン 帝国の創始者(前編)</span>
レーニンが法廷弁護士助手を務めた建物の記念プレート。ロシア・サマーラにて(筆者撮影)

レーニンが解体したはずの「ロシア帝国」は、いかにして強大な「ソ連帝国」として再建され、現在の「プーチン帝国」にいたったのか――ソ連に君臨した6人の悪党たちの足跡から、ロシアという特異な共同体の正体を浮き彫りにする新連載。第1回は、逝去100年を迎えたレーニンを取り上げる。 ※2024年1月21日公開の記事を再掲します

プロローグ

 1924年1月下旬、雪で白くなったモスクワの中心部に、幾重もの人の列が伸びていた。みな労働組合会館の「柱の間」に横たえられた亡骸に、別れを告げに来ているのであった。大人だけではなく、若者も、子どももいた。ユーリーという少年はまだ6歳であったが、熱心な共産主義青年同盟員の兄に連れられて葬列にまじっていた。冷え込みがきつく、あちこちで焚火が燃されていた。兄はあとで父親から、「お前はちっちゃいやつをどこへ引っ張っていったんだ。こいつは頬中しもやけになってるじゃないか」と怒鳴られた1。……

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