教育

「教育無償化」の罠――「私学の公立化」と「公立校の統廃合」狭まる選択肢

2026年3月26日


<span>「教育無償化」の罠――「私学の公立化」と「公立校の統廃合」狭まる選択肢</span>
教育無償化がもたらすインパクトは、私立学校だけの問題にとどまらない (C)AiPhoto/stock.adobe.com

今年4月に始まる全国での高校無償化は、各家庭の教育費負担を軽減し、学校選択の幅を広げることを目的としている。しかし、実際には私立学校から経営の自立性と教育の独自性が失われ、公立学校の統廃合が進むことで経済的に苦しい家庭の子供の選択肢が狭まる可能性もある。「多様な選択肢」の確保に逆行する可能性が見逃せない。

 日本の家計において、長きにわたり重い負担となってきたのが教育費である。義務教育終了後の高等学校、とりわけ私立高等学校への進学は、家庭の経済状況に大きく左右される現実があった。これまでも国や自治体により多様な負担軽減策は講じられてきたが、令和8年度から「教育無償化」の名の下に所得制限を撤廃した全国的な支援が開始される。

 この施策は家計の教育費負担を下げ、少子化対策にも寄与する福音であるように思われる。しかし、その内実を市場原理や学校経営という観点に照らし合わせると、中長期的には日本の学校教育から多様性を奪い、教育の質そのものの低下をもたらしてしまう負の側面も見え隠れする。本稿では、この新たな無償化政策が、学校教育にとって真に「良いこと」となるのか考察したい。……

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