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「治る」という言葉の魔力

2026年6月17日


<span>「治る」という言葉の魔力</span>

延命治療なんて真っ平

 国立がんセンター中央病院の旧病棟(1999年まで)では7階が呼吸器病棟で、7Aが内科、7Bが外科と分かれていた。その間に喫煙室があって、顔色の良くない肺癌患者がタバコを吸っていた。手術を控えた患者はさすがに外科医から禁煙を指示されていたので、吸っているのは大抵内科の進行癌患者だった。

 当時はまだ進行癌に対して有効な治療があまりなかったが、外科手術はすでに安全性も確立され、相当数の患者を救っていた。そのためか外科のレジデントどもは患者に、「あなたは7B病棟に入れてラッキーで、肺癌でも治る方だ。7Aの内科病棟に行ったら死ぬんだ」と吹き込んでいた。内科と外科の仲が悪いのは珍しい話ではなかったが、それにしてもあんまりで、私は10年以上かけて内科と外科の協力体制を作った。

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