教育

都立高は本当に「凋落」したのか――「進学指導重点校」の実態から読み解く高校の選び方

2026年6月29日


<span>都立高は本当に「凋落」したのか――「進学指導重点校」の実態から読み解く高校の選び方</span>
都立日比谷高校

 「都立はもうダメだな」。スマホに映った東大合格者ランキングに目をやりながらそうつぶやいたサラリーマン。ネットでは「都立凋落」という文字を見かけることも少なくない。東大合格者数だけを見て「都立凋落」と断言するのは少し乱暴な話だが、岐路に立たされる都立高校があるのは確かだ。全国に先駆けて私立高校授業料実質無償化をスタートした東京では私立人気の高止まりが続いている。

都立高は本当に「凋落」したのか

 大学通信が毎年発表している東大合格者ランキング、2026年のトップ3は私立高校が占めた。都立のトップ校、日比谷高校は第8位。同校が圧倒的な数で全国トップとなっていたのはもはや半世紀以上も前のことだ。ある塾関係者は言う。

「都立凋落なんて言ってるのは、かなり年配の人じゃないですか? 今はむしろ“復権”くらいに言われていますよ」

 都立が東大合格実績を落としていったのは、かつて敷かれた学区制の影響だと言われている。今の40代から50代が高校受験を迎えたのがちょうどこの時期だった。学区制は、居住地により受験できる高校が振り分けられる制度で、学区外の高校は、受験したくてもできなかった。受験競争の過熱を抑えるための措置として行われたもので、これが都立高校全体の成績の底上げにはつながったと評する意見がある一方で、日比谷の東大合格者数はどんどんと減少、1993年には史上最少の1人にまで落ち込んだ。また、これが私立高校への呼び水となり、都立人気が低迷、2003年、ついに学区制は廃止となった。

 この時代に高校生だった人からすれば、ランキング10位以内に日比谷が入ってきたことは「復権」に見えるのだろう。学区制廃止以降のメディアの報道にも「復権」の文字が見て取れる。そして、実際に現在の都立高校の進学実績は悪くないという専門家もいる。

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