ファーウェイが打ち出した「新しいものさし」
2026年5月、中国の通信機器大手ファーウェイ(華為技術)が、半導体の進化を測る新しい「ものさし」を発表した。IEEE(電気電子技術者協会)の国際学会で同社の何庭波(か・ていは)氏が提唱した「τ(タウ)スケーリング則」である。これが、半導体業界が半世紀以上も拠り所としてきた「ムーアの法則」に代わる指標だという。
米国の輸出規制によって最先端の製造装置を手にできないはずのファーウェイが、なぜこのタイミングで独自の法則を掲げたのか。そこには技術的な合理性と、企業・国家としての戦略が分かちがたく結びついている。本稿では、この新しい法則の中身と、それが映し出す米中半導体競争の意外な現実を読み解きたい。