小さな成功体験が現場の意識を変える
――行政のトップという立場から、齊藤町長が役場の職員に期待することは何でしょうか。
大前提として、戦略を立てるのは首長の仕事であり、その責任を職員に転嫁するつもりはありません。
その上で職員に期待するのは、第一に、一次情報を自分の足で取ってくることです。国の制度は毎年変わるし、要綱の一行の解釈で採否が分かれることもあります。霞が関や都道府県庁に電話を一本入れる、担当官に会いに行く。それをやる職員とやらない職員とでは、自治体に残る果実(実績)の数字が桁で違ってきます。
第二に、「できません」と言う前にできるようにするための条件を出してほしい、と言っています。前例がない、財源がない、人手がない……それは事実として受け止めますが、では何があれば動かせるのかを併せて言ってもらえれば、その条件を揃えるのが首長としての自分の役目になります。反対意見も歓迎しています。町長室で議論して詰めたほうが、外に出してから傷つくより、はるかに安上がりです。
第三に、町の外に出て、外の物差しで自分の仕事を測ること。町の常識は世界の常識ではないし、逆もまた然りです。判断の責任は自分が取るから、職員には思い切って前に出てもらいたいですね。
――1期目の初期は、町長が次々と繰り出す「奇策」に役場内でも戸惑いがあったかと想像します。8年間で町役場はどのように変わりましたか。