井上弘貴氏の『アメリカの新右翼―トランプを生み出した思想家たち―』(新潮選書)
トランプ政権を支えているのは、一枚岩の「保守」ではありません。本書は、オルトライトやネオナチ、宗教保守、ピーター・ティールに代表されるテック右派、パトリック・デニーンらのポストリベラル右派など、リベラルな価値観を批判して社会を作り変えようとする思想家たちの系譜をたどります。左派からのリベラリズム批判や、「大いなる置き換え」論の源流となったフランスの思想家にも目配りし、離合集散する新右翼の全体像を冷静な筆致で描きます。中間選挙の結果がどうあれ、いまのアメリカを動かす思想の地図が手に入る一冊です。
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森本あんり氏の『不寛容論―アメリカが生んだ「共存」の哲学―』(新潮選書)
「わたしはあなたの意見に反対だが、あなたがそれを主張する権利は命をかけて守る」――ヴォルテールの言葉として知られる、そんな理想主義的な寛容は本当に実現可能なのでしょうか。本書の主人公は、17世紀の植民地アメリカで、自らも属したピューリタン共同体から追放された神学者ロジャー・ウィリアムズです。彼は先住民の権利や信教の自由を擁護して新植民地を築きましたが、集まってきた多様な人々との摩擦にも苦しみました。その苦闘から見えてくるのは、相手を愛せなくても、最低限の礼節をもって接するという寛容のかたちです。分断が深まる時代の「キレイごとぬきの共存の哲学」を説きます。
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同じく森本あんり氏の『反知性主義―アメリカが生んだ「熱病」の正体―』(新潮選書)
アメリカでは、なぜ反インテリの風潮が強く、キリスト教が異様に盛んで、政治が極端な道徳主義に走るのか。その謎を解く鍵が「反知性主義」です。本書によれば、これは単なる知性への敵意ではありません。知性が権威と結びつくことへの反発であり、ハーバード大学に象徴される高度な知性主義の土壌から生まれたものです。信仰復興運動、平等の理念、ビジネスとの融合といった歴史をたどり、ジャクソン大統領や伝道者ビリー・サンデーらの姿を通して、アメリカ社会に根づく「熱病」の正体を明らかにします。
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また、『新潮QUE』では著者の井上氏・森本氏が登場する動画コンテンツも配信中です。
【「右か左か」ではなく「上か下か」 中間選挙にみる、アメリカ政界の新たな局面を読み解く】
出演/井上弘貴、加藤喜之
【アメリカで何が起きているのか?話題の書『リベラリズムからの体制転換』を読む デニーン氏が提起する「共通善保守主義」とは?】
出演/森本あんり、会田弘継
アメリカ中間選挙についてまとめた特集ページ【思想と宗教で読み解く「アメリカ中間選挙」】もあわせてぜひご覧ください。
【特集ページ】
https://que.dailyshincho.jp/feature/midtermelections1016/