患者の方が困るだろう
以前に「強姦罪」と言われていた罪は、現在「不同意性交罪」と呼称が変更され、要件が明確に定められている。性交渉の同意は婚姻関係の有無にかかわらず必要で、暴行や脅迫を用いるのはもちろん、アルコールや薬物で抵抗できなくさせたり、意思を表明する暇を与えなかったり、さらには経済的・社会的関係による影響力をちらつかせるのも「同意不成立」として扱われる。
加害者が罰を逃れてしまわないよう曖昧さを排除したのはいいが、一方で「強姦罪」という言葉にある禍々しい響きが、「不同意性交罪」だと軽くなってしまう。なんだか契約手続の不備みたいで、「凶悪犯罪」の感じが薄い。そんなことはともかく、他の「契約手続」とは違ってこの場合は通常密室に二人きりで、文書にサインしたりもなかろうから、「同意の成立」もしくは「不成立」の証明はかなり困難だろう。