納豆は毎日継続して摂ることが大切
まずは最強の“アンチエイジング食材”から。
背筋がピンと伸び、顔のしわも少ない。でも、実年齢を聞いてみたら、案外、年をとっていた―。そんなイケオジや美魔女の謎を解くカギは、もしかしたらこの成分に隠されているのかもしれない。
ビタミンK。
骨を強くし、血管をしなやかに保つことから、「新・若返りビタミン」などと呼ばれる。
実は、このビタミンKを豊富に含む食材は、私たちの身近なところに存在する。日本人のソウルフードにして食卓の名脇役、納豆だ。
『発酵食品を楽しむ教科書』の監修を担当した、宮城大学食産業学群の金内誠教授が解説する。
「肉や卵にもビタミンKは多く含まれていますが、コレステロールの値も高い。そうしたことを気にせず、効果的にビタミンKを摂取できるのが納豆の利点です。大豆そのままの状態だと吸収されづらいのですが、発酵しているため、分子が小さくなって体に取り込みやすくなる。非常に優秀な食べ物と言えます」
ビタミンKは、カルシウムを骨に定着させる接着剤の役割を果たしつつ、血管に付着するのをブロックする役目がある。そのため、肌の細胞にカルシウムが沈着することを防ぎ、しわが少ない皮膚を保てるのである。
また、高血圧対策にも有効で、
「納豆に含まれるペプチド(アミノ酸の結合物)が、体内で血圧を上げるアンジオテンシン変換酵素(ACE)の働きを阻害します。なぜなら、血圧に関わるホルモンもペプチドなのですが、納豆から摂取したペプチドが体内で増えると、ACEがどちらのペプチドを攻撃していいかわからなくなってしまい、結果として血圧の上昇が抑制されるのです」(同)
さらに、独特のネバネバ成分が体の免疫を刺激して強くする上に、
「納豆菌が作り出すジピコリン酸という物質は抗菌物質なので、O-157などの大腸菌の生育も阻害してくれます。納豆菌は芽胞という熱や酸に強いバリアのような胞子を作り、自らを熱などの外部刺激から守ることができるので、生きて腸に届きやすい。したがって、食べ方としては納豆汁もお勧めです」(同)
金内氏によれば、摂取量の目安は1日1パック(40~50グラム)だが、その半分でもよく、何より毎日継続して摂ることが大切だという。
さて今年4月、私たちの食生活に欠かせない野菜である「指定野菜」に、半世紀ぶりにブロッコリーが加わったことが注目を集めたが、食品機能化学を専門とする名古屋大学の大澤俊彦名誉教授は、ブロッコリーの凄さをこう語る。
「生活習慣病の予防に効果的なβ-カロテンなどのカロテン類の含有量はトマトの約1・53倍、抗酸化作用を持つビタミンCの含有量もレモンの約2倍。茹でたブロッコリー100グラムの中に含まれるビタミンCは55ミ リグラムで、これだけで厚生労働省が推奨する1日当たりの摂取量100ミ リグラムの半分以上を満たします」
スーパー・スプラウトの「がん予防効果」
ほかにも栄養に恵まれていて、
「美肌効果のあるビタミンE、免疫力を高めるビタミンB群もバランスよく含まれていて、不溶性の食物繊維が豊富なので便通にもいい」(同)
何より注目なのは解毒酵素を活性化させる点である。
「現在、私たちは食品添加物など発がん性の可能性のある物質に取り囲まれた生活を送っていますが、解毒酵素の働きによって、体内に入ってしまった有害物質を可能な限り無害化して排出することができます。ブロッコリーはスルフォラファングルコシノレートという配糖体を含み、摂取後に腸内細菌が働くことでスルフォラファンという成分に分解され、スルフォラファンが解毒酵素を活性化してくれるのです」(同)
ブロッコリーはがん予防効果にも優れていることで知られるが、その効果は、生長状態によって一層高まることが分かっている。
「植物は新芽となって伸びていく時に膨大なエネルギーを使うため、新芽に栄養成分などが凝縮されます。発芽野菜のことをスプラウトと言うのですが、成熟ブロッコリーを1週間で1キロ食べて発揮されるがん予防効果が、ブロッコリーの発芽後3日目のスプラウトであれば、わずか50グラム程度で達成されます」(同)
この発芽後3日目のスプラウトは「スーパー・スプラウト」と呼ばれる。カイワレ大根のような形で、大澤氏は、
「調理しなくても美味しく食べられ、サンドイッチに挟んだり、肉料理の付け合わせにしたり、刺身のつまや手巻き寿司の具にも使えます。スルフォラファン(グルコシノレート)は熱にも強いため、ネギのように味噌汁に入れても大丈夫です」
と、スーパー・スプラウトを推す。
続いては、小腹が空いた時に“おつまみ”としてお勧めなナッツを紹介。
「ナッツのメリットは大きく四つあり、一つ目が不飽和脂肪酸が豊富な点です」
そう語るのは、慶應義塾大学医学部化学教室の井上浩義教授だ。
「アーモンドは55%、マカダミアナッツは77%が油(脂質)なのですが、この油はオメガ9系と呼ばれる不飽和脂肪酸で、ヘルシーな油の代表格であるオリーブオイルと同じ種類です。継続的に摂取すれば、悪玉コレステロールの値を下げ、動脈硬化を防ぐことができます」
二つ目のメリットは食物繊維の量で、
「アーモンドの場合、ごぼうの約2倍、いもと比べると約5倍です。日本人の女性におけるがん死亡数の第1位は大腸がんなので、いかに便秘を改善するかが大事になってくるわけですが、がん研究センターの研究では、食物繊維をたくさん取れば、女性の大腸がんは3分の1から2分の1に抑えられるというデータが報告されています」(同)
さらに、紫外線対策にも有用だ。