社会

「佐藤二朗」騒動に揺れたフジテレビ『映画ちいかわ』興行収入138億円突破でもその恩恵が小さい理由

2026年9月9日


<span>「佐藤二朗」騒動に揺れたフジテレビ『映画ちいかわ』興行収入138億円突破でもその恩恵が小さい理由</span>

現在、大ヒット中の『映画ちいかわ 人魚の島のひみつ』。製作委員会に参加し、アニメを放送するフジテレビもさぞ笑いが止まらないかと思いきや、「そう単純な話ではない」と関係者は口ごもるのだ。巨利を生むアニメビジネスの変化のスピードに戸惑う、テレビ局の実情に迫った。

早くも邦画アニメで今年ナンバー1の売上が確実視される

 昼下がりの8月最後の日曜日。都心のTOHOシネマズを訪れると、300近くある客席はほぼ埋まっていた。親子連れのほか、カップルや女性同士のグループなど、客の年齢層は小学生から40代までと幅広い。

「何だか、身につまされる内容だったな」

 映画が終わると、大人たちはこんな感想を漏らしながら劇場を後にした――。

『映画ちいかわ』が絶好調だ。7月24日の公開日だけで興収9.9億円を記録し、シリーズ最高の158億円を打ち立てた『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』(2024年公開)の初日(9.6億円)を上回る滑り出しを見せた。

 勢いはその後も止まることなく、公開45日間の興収は138億円。早くも今年の邦画アニメでナンバー1の売上が確実視されている。

 アニメビジネスに詳しいジャーナリストの数土直志氏によれば、

「『ちいかわ』は24年から3年連続で日本キャラクター大賞グランプリを受賞するなど、いまや圧倒的な知名度を誇ります。もともとは原作者のナガノ氏が20年からツイッター(現X)上で連載していた漫画が話題を呼び、翌年に講談社が単行本化。当時のファンの中心は、リアルでシュールな作品の世界観に魅せられた大人たちでした」

「ちいかわ」で描かれるのは、つましくも、ささやかな喜びに溢れた日常だ。性別不明の二頭身のキャラクターたちが草むしりといった労働に精を出し、報酬アップを目指して検定試験に挑戦。時にはモンスターを討伐する危険な仕事に従事するなど、友情とともに残酷な世界が描かれる。

 22年にフジテレビが朝の情報番組『めざましテレビ』内でアニメの放送を始めると、キャラクターの愛らしさがウケて、ファン層が一気に子供へと拡大。ちなみに「ちいかわ」とは、“なんか小さくてかわいいやつ”の略である。

 快進撃を続ける映画の裏で、浮かない顔を見せるのは、意外にもフジ関係者だ。

おすすめの記事

すべて見る
戻るボタン 次へボタン

注目の特集

すべて見る
戻るボタン 次へボタン

おすすめの電子書籍

すべて見る
戻るボタン 次へボタン

おすすめの動画

すべて見る
戻るボタン 次へボタン

ニュースレターを購読する

新潮QUEは、「問う力」を養っていくためのサブスクリプションサービスです。

無料登録する