社会

防衛省の情報を「アメリカ」に預ける危険性が理解されていないのはなぜなのか【前編】

2026年9月23日


<span>防衛省の情報を「アメリカ」に預ける危険性が理解されていないのはなぜなのか【前編】</span>
写真:DC Studio/shutterstock.com

「アメリカの民間企業が有力候補」と報道

 今年8月13日に「日本政府が機密性の高い情報を外国製クラウドサーバーに預ける」という報道が流れた。

「政府は、政府機関が持つ機密性の高い情報を管理するため、民間企業が技術提供するクラウドサービスを新たに導入する方針だ。米国製のクラウドが候補になっている。政府は、自衛隊でAI(人工知能)の活用を進める考えで、機密情報を安全に管理できるかも課題となりそうだ。防衛省は8月末に予定する2027年度当初予算の概算要求に盛り込む方針だ」(同日付朝日新聞デジタル版)

 政府情報の中でも、もっとも機密性が高いはずの軍事情報を、外国の、しかも民間企業のサーバーに預けるというのだから、驚いた人は多いのではないだろうか。

 万一敵対的な外国に漏れたら、いや同盟国であるアメリカにでも漏れたら、国家存亡に関わるのが軍事情報である。ハッキングで盗まれないよう、外部のインターネットはもちろん、Wi-Fi、Bluetoothにもつながっていない、隔離密閉型のデータセンターに厳重に保管する。常識的にはそうだ。

 現実に、現在の自衛隊の通信・サイバー中枢は、防衛省本省の地下・庁舎内に統合・集中されている。完全にインターネットおよび通常LANから遮断された「スタンドアローンの専用装置」であるだけでなく、部屋全体が電磁シールドで密閉された電磁遮蔽室内にある。コンピュータ、ディスプレイ、ケーブル、暗号機などの電子機器から漏れる微弱な電磁波を傍受・解析して、画面やデータを再現するスパイ技術(「TEMPEST」)からデータを守るためである(陸海空それぞれの基地内にまた密閉型のサーバーがある)。

 だったら、なぜわざわざアメリカの民間サーバーに?と不思議に思うのが自然ではないだろうか。

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