社会

防衛省が自国のAI技術を頼れない絶望的な理由【中編】

2026年9月24日


<span>防衛省が自国のAI技術を頼れない絶望的な理由【中編】</span>
写真:DC Studio/shutterstock.com

アメリカ製よりもはるかにワイルドな中国の軍事AI

 前回の記事では、軍事AIとドローンを中心に、防衛産業と戦争の現状をビッグピクチャーで捉え、解説を試みた。今回は、この状況に日本はどのように対応できるのか、いや正確にはどれだけ対応できていないのかについてご説明していく。

 最先端の軍事用AI「パランティアAI」と「アメリカビッグテック企業の巨大データセンター施設」と「攻撃型自爆ドローン」の三つを自衛隊が活用できるようになれば「日本版キル・チェーン」が完成する。これは前回ご説明した通りだ。自衛隊の殺傷能力が高くなることの是非はここでは論じない。問題はこれが本当に日本の防衛能力を高めることになるのかである。

 日本と米国が友好国で、軍事行動においても共同歩調を取るのを前提とするなら、両国のシステムは同じものを使っていた方がいい。「同盟国と同じ口径のライフル銃を採用したほうが、戦場で銃弾も共有できる」のと同じ理屈である。

 パランティアAIは「戦争」のスピードを異次元に速くしてしまった。なにしろ、それまでは人間が12時間かけて決めていた攻撃対象の発見から破壊までを数秒で決定してしまう。米軍AIが数秒で決めることを、自衛隊指揮官がモタモタと12時間かかっていては、共同作戦もヘチマもない。米軍の足を引っ張るだけだ。日米同盟は不変であり、一種の属国状態を未来永劫続けるというのならば、日米が同じシステムを用いることは合理的であり、防衛能力の強化につながる、という理屈は成り立つかのようにも見えるだろう。

 しかし、ここまで触れていなかったが、軍事AIは当然他国も活用している。いまや米軍にとって最大の仮想敵国になった中国・人民解放軍にも「パランティアAI」に該当するシステムは配備されている。

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