<span>弥勒の“超解釈”にみるタイパ時代の信仰</span>

 久しぶりに上海の龍華寺に行くと、不思議な光景を目にした。若者たちが線香を持って、仏塔のまわりをぐるぐる回っているのだ。この行為自体は右繞(うにょう)といって、古くから仏教に存在する礼拝方法である。だけど、こんなみんな熱心に回っていたっけ? しかも異様に若い世代で賑わっているのだ。龍華寺は上海最古の古刹。15年以上前から何度も訪れているが、ここまでの混雑は経験したことがない。

 調べてみると小紅書や抖音などのSNSによって「龍華寺攻略法」が生まれていることがわかった。上海には静安寺や玉佛寺などいくつかの大寺院があるが、昨今は役割分担がはっきりしてきて、龍華寺は「仕事・キャリアに効く寺」との地位が確立した。その上で「線香をもらう→時計回りに仏塔を3周→願いごとを心の中で唱える→四方に礼拝→各殿を目的別に参拝」という攻略ルートがSNSによって定型化されたのだ。

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