<span>【独自調査】最新版「クマ人身被害マップ」で判明した死傷者数“ワースト県”とその処方箋</span>

クマによる死傷者数が過去最悪のペースで増え続けている。厄介なことに、秋は冬眠前に栄養をたくわえようとクマが活動的になり、人間と遭遇するリスクが高まる。実際、クマの人身被害は9月から10月にかけてが最も多い。もはやクマの目撃や被害を伝えるニュースは日常と化しているが、この現実に我々はどう対処すべきか。人身被害の最新状況を週刊新潮編集部が独自に調査した「全国マップ」と「都道府県別ランキング」を読み解くことで、今こそ国が出すべき“処方箋”を明らかにする。

決して偶然ではない「高尾山のクマ目撃」

 環境省が発表している最新の統計によれば、2025年度にクマによる人身被害の数は238人で、うち13人が死亡している。これは当時、過去最多を記録した23年の被害者数219人、死亡6人を上回り、歴代ワースト記録が更新されてしまった。

 人身や農作物への被害を防止する目的で捕獲されたクマの頭数も、25年度は1万4741頭で史上最多となった。これまでは年間3000頭から多くても9000頭前後を推移していたが、ついに1万頭の大台を超えたのである。

 クマによる人身被害、捕獲頭数も過去最多となれば、日本は史上稀にみるクマの脅威にされていると言っても過言ではない。

 それを裏付けるように、近ごろのクマは農村部のみならず市街地にまで出没するケースが頻発しているのはご存じの通りである。ついに都内では、高尾山へ向かう登山道付近で目撃情報が寄せられて、シルバーウィークの行楽地に緊張が走った。

「高尾山でクマが確認されたのは、偶然の出来事ではなく、全国的な分布拡大の一端と考えた方がよいと思います」
 
 とは、野生動物による被害の実態に詳しい石川県立大学特任教授の大井徹氏だ。

「今後、クマが東京23区など、さらに都心に近い場所に現れる可能性も否定できません。実際にそこまで出てくるかどうかは現時点で分かりませんが、以前と比べると、その可能性は高まっていると言えるでしょう。人間側が積極的に対策しなければ、全国的にクマの出没や被害が増えていくのは避けられません」
 
 被害を防ぐ上で欠かせないのは、クマ被害の実態を正確に把握することだろう。

クマは“絶滅寸前”とされていた

 そこで本誌はクマによる全国の人身被害を徹底調査。冒頭で紹介した環境省の最新統計のみならず、今年度の速報値を加えて、都道府県別の被害実態を「全国マップ」の形で以下に示した。また別表では、都道府県別の人身被害件数をランキング形式でまとめた。

 以下を見れば一目瞭然、期間中の人身被害件数が全国で最も多かったのは秋田県で66件、うち死亡者は5名を数える。次いで多かったのは岩手県の51件で、死者数は8人と秋田よりも多い。3位の福島県は28件だが幸いにも死亡者はゼロ。以下、新潟、山形、青森と続くが、被害件数だけを見れば、東北地方が全国の7割近くを占めているのだ。

おすすめの記事

すべて見る
戻るボタン 次へボタン

注目の特集

すべて見る
戻るボタン 次へボタン

おすすめの電子書籍

すべて見る
戻るボタン 次へボタン

おすすめの動画

すべて見る
戻るボタン 次へボタン

ニュースレターを購読する

新潮QUEは、「問う力」を養っていくためのサブスクリプションサービスです。

無料登録する