<span>モノクロの画面のように</span>

 私が戦後、はじめて外国へいったのは、一九六五年の初夏のころだった。

 当時は一般人の外国渡航がようやく解禁されたばかりで、現地の情報もほとんどなかったから、手探りの海外旅行だったのである。

 外国へ出るには、外貨を用意しなければならない。当時の外貨といえば、要するにドルである。

 公定価格で、一ドル三六〇円。念のため少し余計に持っていこうとすると、闇ドルを購入するしかない。一ドル四〇〇円が相場だった。

おすすめの記事

すべて見る
戻るボタン 次へボタン

注目の特集

すべて見る
戻るボタン 次へボタン

おすすめの電子書籍

すべて見る
戻るボタン 次へボタン

おすすめの動画

すべて見る
戻るボタン 次へボタン

ニュースレターを購読する

新潮QUEは、「問う力」を養っていくためのサブスクリプションサービスです。

無料登録する