<span>吉川晃司さん使用</span>
イラストレーション:大橋裕之

 渋谷の仕事場の近くの薬局が、ヴィレッジヴァンガードかのように、手書きのポップを多用している。「奥田民生さん、愛用の胃薬!」とか「菜々緒さんが雑誌で紹介したビタミン剤!」とかとか。本当だろうか? と思いつつ、奥田民生さん愛用の胃薬を購入してしまった(チョロい)。

 高校くらいのとき、生まれて初めて香水を買うため、上野のアメヤ横丁、通称「アメ横」にひとりで出かけたことがあった。クラスの人気者だったサッカー部の男が、香水でうがいでもしたのか? と訊きたくなるほど、甘い匂いをプンプンさせる男だった。いま考えると、まだ香水の付け方がよくわからず、ふりかけすぎていたんだと思う。あるとき、彼がクラスで仲間と雑談をしているのが、僕の耳にも入ってきた。

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