<span>先行する豪・仏の「SNS規制」に立ちはだかる現実 世論が支持する「年齢一律規制」よりも重要な対策は何か</span>

オーストラリアが16歳未満のSNS利用を事実上禁止したのは昨年末のこと。これを皮切りにイギリスやフランスでも子どものSNS規制が進み、この9月には欧州委員会が13歳未満のSNSアカウント保有を認めない法案を提案した。日本でも年齢制限の導入論が高まるが、果たして「年齢一律規制」が本当に子どもを守る最善策なのか。オーストラリアの初期評価データをはじめ海外の動向を参考に、日本のSNS規制の在り方を考える。

功罪あるSNSを規制する

 子どものSNS利用を年齢によって制限する動きが、世界で広がっている。オーストラリアでは2025年12月、対象となるSNSで16歳未満がアカウントを持てないよう、事業者に対策を義務づける制度が始まった。英国も今年6月、16歳未満の利用を禁止し、来春の施行を目指す方針を示した。9月17日には欧州委員会が、SNSや動画共有サービスのアカウントについて、13歳未満には認めず、13〜14歳には保護者の管理する制限付きのものを認める法案を提案した。

 日本でも、こども家庭庁のワーキンググループが7月末に中間整理を公表し、年末の最終報告に向けて議論を進めている。一律の年齢制限を導入するかどうかは、政府で引き続き検討するという。私は、子どもをリスクから守ることには賛成だ。ただし、現段階で日本が優先すべきなのは、年齢だけで利用を一律に禁止することよりも、子どもが安全に使えるよう、サービスの設計を変えていくことだと考えている。

 まず確認しておきたいのは、SNSが子どもにとって有益な面も持つということである。情報を集め、自分の考えや作品を発信し、同じ関心を持つ人とつながることができる。学校や家庭では話しにくい悩みを相談できるなど、居場所としての役割もある。利用を制限するときには、こうした機会への影響も考える必要がある。

 もちろん、リスクを軽く見てよいわけではない。警察庁によると、SNSに起因する犯罪の被害児童は、2025年に1566人となった。前年より80人多く、うち小学生は136人から167人に増えている。

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