功罪あるSNSを規制する
子どものSNS利用を年齢によって制限する動きが、世界で広がっている。オーストラリアでは2025年12月、対象となるSNSで16歳未満がアカウントを持てないよう、事業者に対策を義務づける制度が始まった。英国も今年6月、16歳未満の利用を禁止し、来春の施行を目指す方針を示した。9月17日には欧州委員会が、SNSや動画共有サービスのアカウントについて、13歳未満には認めず、13〜14歳には保護者の管理する制限付きのものを認める法案を提案した。
日本でも、こども家庭庁のワーキンググループが7月末に中間整理を公表し、年末の最終報告に向けて議論を進めている。一律の年齢制限を導入するかどうかは、政府で引き続き検討するという。私は、子どもをリスクから守ることには賛成だ。ただし、現段階で日本が優先すべきなのは、年齢だけで利用を一律に禁止することよりも、子どもが安全に使えるよう、サービスの設計を変えていくことだと考えている。
まず確認しておきたいのは、SNSが子どもにとって有益な面も持つということである。情報を集め、自分の考えや作品を発信し、同じ関心を持つ人とつながることができる。学校や家庭では話しにくい悩みを相談できるなど、居場所としての役割もある。利用を制限するときには、こうした機会への影響も考える必要がある。
もちろん、リスクを軽く見てよいわけではない。警察庁によると、SNSに起因する犯罪の被害児童は、2025年に1566人となった。前年より80人多く、うち小学生は136人から167人に増えている。