2月1日の受験者数ランキング 2位に浮上した意外な学校とは?
近年の中学受験では、第一志望の難関校に不合格だったという経験だけが子どもや家庭に残らないよう、納得して進学できる「併願校」を選ぶことが重要になっています。例えば、2月1日午後や2日には、合格した場合に実際に進学したいと思える偏差値50台の学校を組み込む。場合によっては、2月1日午前に難関校を受験せず合格可能性のより高い学校を受験する戦略も考えられます。こうした併願戦略の変化に伴い、中学受験における中堅校の重要性は、以前にも増して高まっています。難関校を目指す受験生の併願先としてだけでなく、第一志望とする受験生も多い中堅校の受験の心得について考えます。
毎年、中学入試が終わると、私は2月1日午前の実受験者数ランキングを確認しています。東京・神奈川の入試解禁日である2月1日は、開成、麻布、武蔵、桜蔭、女子学院、四谷雙葉など、多くの難関校が入試を実施します。これらの学校は入試が1回だけなので、この日の受験者数は、その年の志望動向を知る重要な指標になります。
2026年度入試でその日実受験者数が最も多かったのは、開成の1175人。これは例年通りでした。では、2位はどこだと思いますか? それは「安田学園」という学校です。安田学園は四谷偏差値56の中堅校です。東京・両国にあり、かつては商業・工業系の男子校でしたが、共学化や教育改革を進め、現在では早慶上理ICUに延べ100人以上の合格者を出す進学校として存在感を高めています。親世代が抱いている学校のイメージと、現在の姿が大きく異なる学校の一つでしょう。実受験者数は858人、前年比110%の80人増で、実質倍率は2.69倍。実受験者の数では難関校の麻布や早稲田などを上回っています。来年度の入試でも、「合不合判定テスト」の志願者動向を見る限り、こうした人気は続くと考えられます。
ほかにも、ランキング上位には「聖徳学園」、「桜丘」、「日本工業大学駒場」など、必ずしも偏差値最上位ではない中堅の学校が顔を出しています。これは、難関校の人気がなくなったという話ではありません。ただ、偏差値の高さだけでは、学校の人気を説明できなくなっているということです。聖徳学園は正解のない問題を考え抜くSTEAM(Science、Technology、Engineering、Arts、Mathematicの頭文字を取ったもの)教育の業績を認められApple Distinguished Schoolに認定されており、また桜丘や日本工業大学駒場は学習面での面倒見がいいこともあり、人気が上がってきています。