<span>「23年ぶりの快挙」はなぜ起こったのか――御三家・武蔵の校長が語る進学実績急伸の知られざる秘密</span>
武蔵高等学校中学校の杉山剛士校長

2026年春、男子御三家の一つ、武蔵高等学校中学校が大学入試で目覚ましい実績を上げた。東京大学26名、京都大学17名、一橋大学9名、東京科学大学13名。難関4大学の合格者は計65名に上り、2003年以来23年ぶりの快挙となった。さらに、進学先は全国に広がり、旧帝大を含めた合格者数は80名、こちらも27年ぶりだ。学問を重んじる独自の教育方針を貫く一方、近年は進学実績が伸び悩んでいた武蔵に、いったい何が起きたのか。自身も武蔵出身の杉山剛士校長にその背景を聞いた。(構成:石渡真由美/ライター)

東大推薦入試に3人全員合格

 2026年の大学入試では、おかげさまで多くの方から注目していただきました。なかでも話題になったのが、東京大学の学校推薦型選抜です。男子校から推薦できるのは最大3名ですが、今年は3名が出願し、全員が合格しました。しかも、3人の研究分野は三者三様。文学部に進んだ生徒は中世の城郭を研究し、理学部の生徒は惑星などの天体を研究。工学部の生徒は情報分野に取り組み、国際情報オリンピックなどでも活動していました。3人とも学校の中だけでなく、外部の学会でも研究成果を発表しています。

 こういう話をすると、武蔵では特別な探究指導をしているのではないかと思われるかもしれません。でも、そうではないんです。生徒たちがそれぞれ自分の好きなことを見つけ、とことん追究してきた。それが結果として東大の推薦入試につながったのだと思います。まさに、武蔵らしい結果でした。

 武蔵は1922年の創立以来、「自ら調べ自ら考える」という「自調自考」を大切にしてきました。その姿勢は、中学入試にも表れています。

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