経済・ビジネス

食ビジネス“日中戦争”の舞台裏――外食チェーンや加工食品に使われる意外な「中国産食材」

2026年11月2日


<span>食ビジネス“日中戦争”の舞台裏――外食チェーンや加工食品に使われる意外な「中国産食材」</span>

回転寿司チェーンのマグロ握りをはじめ、カフェチェーンの抹茶ドリンク、ファストフードのアップルパイにまで中国産の食材が使われていた――。週刊新潮が報じてきた中国産食材の知られざる実態は、これまで新潮QUEの特集記事『徹底調査「中国産野菜」をあなたは口にできるか』」で配信してきた通りである。改めて浮き彫りになったのは、外食チェーンで提供されるメニュー、スーパーなどで販売される冷凍やチルド食品、缶詰などの食料品に、中国産食材が多用されている現実だった。今や中国はAIから産業用ロボット、電気自動車などの先端技術で日本を凌駕しているが、我々の生命や健康に直結する分野でも、国産品は競り負けてしまうのか。「食」ビジネスの裏で勃発している“日中戦争”の最前線を覗いてみよう。

 回転寿司チェーンが急成長できたカラクリ

 中国産と聞いて誰もが脳裏に思い浮かべるのは、“国産よりも安い”というイメージだろう。しかし、GDPで日本を追い抜き世界2位となった中国は、人件費も以前のように安価ではない。おまけに昨今の円安である。わざわざ中国からの輸入食材を使うメリットはないように思われるが、マグロ握りに象徴されるように、日本の水産業は中国なくしては成り立たない状況に陥っている。

「もはや中国は日本の水産業界に深く入り込んでいるのが現状です。また中国からの水産物を取引の柱としている日本企業は数多くあります」

 とは、大手水産会社で勤務した経験を持つ水産アナリストの小平桃郎氏だ。

「この業界で働いてきた実感から言えば、大きな転換点があったのは2000年代の初め頃のことでした。当時は円高の影響もあり、日本の工場で水産物を加工するより、中国など海外の工場に頼んだ方が圧倒的に安い時代。そこで急速に広がったのが、中国での『委託加工』というシステムでした」
 
 おかげで急成長を遂げたのが巷にあふれる大手回転寿司チェーンである。

「日本の水産会社が、ノルウェー産のサーモンやサバなど海外で獲れた冷凍魚を買い付けて、それを中国へ持ち込んで加工してもらう。こうした委託加工が発展したことで、寿司ネタの価格が大幅に下がり、安価な回転寿司チェーンが全国に広まったのです」(同)

この20年で日中の立場が逆転

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