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「欧州の戦い方」とは何か――苦渋の選択

2026年10月31日


<span>「欧州の戦い方」とは何か――苦渋の選択</span>
欧州は特にハイエンドの装備で対米依存という課題を抱える[NATOの次世代軍事通信技術の実証実験「DiBaX 2026」に参加するデンマーク陸軍の軍人ら=2026年10月30日、ラトビアのアダジ演習場](C) REUTERS/Ints Kalnins

特に通常戦力に関しては、物量に勝れば勝るほど自軍のリスクや犠牲を抑えられる。そうである以上、欧州はその戦い方が、米国ほどには「人道的」な形にならないという厳しい現実に直面する。NATOにおける米国の負担軽減を求めるトランプ政権に応じ、「欧州の戦い方」による代替を模索する中、いまどのような課題が浮上しているのか。日本での議論も念頭に分析する。

 戦争を避けることはみんなの願いだ。しかし、こちらがいくら平和を望んでも、仕掛けられたら戦う必要が生じる。そのときに問われるのが「戦い方」だ。いかに戦うのか。日本でも、「新しい戦い方」や「新しい守り方」が議論されている。日本の場合は、「戦う」という言葉への抵抗が強く、「守り方」という用語が提案されたりもした。「防衛省」、そして「自衛隊」である以上、「守り方」で当たり前でもある。

 欧州でも戦い方・守り方に関する議論は盛んだ。「欧州の戦争の方法(European way of war)」という用語が使われることがある。欧州社会では、戦うこと自体を原理的に忌避する程度が日本と比べて低いために、より直裁的な言葉が用いられる。ただし、その内容についてのコンセンサスは存在しない。さらにいえば、それを実践したいわけでもない。可能であればそんな議論はしたくないし、「米国の戦争の方法」の陰に隠れている方が楽であるのも現実だ。

 しかし、欧州の戦争の方法や戦い方を真剣に考えざるをえなくなった。そこで以下では、日本での議論も念頭に、欧州の現状と課題を分析する。欧州にとって、欧州独自の戦い方とは何なのか。

能力によって異なる世界観

 すべての出発点になるのは、欧州の戦い方が米国のそれとは異なることである。欧州も一様ではないが、米国と異なるという共通点は指摘できそうだ。欧州は米国になりたいわけでもなければ、なれるわけでもない。歴史や文化が違うという説明も存在するし、それも事実の一部だが、より端的にいえば、動員できる物量が異なるために、戦い方も必然的に異なるのである。その相違は、実際の武力行使の前からあらわれる。

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