日本人と欧米人では体質が違う
健診でお話を聞いていると、健康意識の高い方ほど、テレビやネットで紹介された健康法を熱心に実践していることがあります。「毎朝オリーブオイルを摂っています」「赤ワイを健康のために毎晩1杯」「白米は一切食べません」と、自信を持っておっしゃる。厄介なのは、こうした方は「自分は健康にいいことをしている」という確信が強いことです。健康のために努力しているからこそ、その健康法自体を疑うことが難しい。ところが、検査値を見ると決して良くない。善かれと思って続けていることが、かえって健康を損ねている場合があるんです。
一言で言えば、体質が違うんです。日本人と欧米人を比べると、筋肉や脂肪のつき方、消化吸収やアルコール分解の力、ホルモンや酵素の量、腸内環境が一度違います。酵素の働きも、代謝も、薬への反応も変わってくる。同じ生活習慣でも病気のなりやすさが変わります。同じ人間だからといって、同じ健康法が通用するわけではありません。
ところが、欧米人を対象にした研究データが、そのまま日本人にも当てはめられているのです。アメリカのセレブに人気の健康法を紹介しても、日本人には逆効果になることすらあるわけです。
しかも、日本の医療現場でも状況は同じです。医学部の教科書は欧米のものを翻訳して使ってきました。日本人のデータを集めようという動きは今世紀に入ってようやく始まりましたが、きちんとした結論が出るには数十年かかる。現場の医師が経験則で「日本人には薬を半量にして」と調整しているのが実情です。