カルチャー

「民主主義vs.専制主義」では測れない台湾・香港を習近平が許さぬ理由

2022年12月2日


<span>「民主主義vs.専制主義」では測れない台湾・香港を習近平が許さぬ理由</span>

中国の政体は、独裁こそ史上の通例――なぜなら、個々バラバラな地域を統べる王朝の統一イデオロギーには「中央」「核心」が不可欠だからだ。ゆえに、独裁は常に「完成」することがない。習近平政権をめぐる西欧的紋切り型の解釈は、たとえば歴史的所産としての台湾・香港問題の構図を見えにくくする。

 中国共産党大会の閉幕した当日、衝撃的な光景が、世界を震撼させた。前党総書記・国家主席胡錦濤の強制退席である。動画もウェブなどにアップされたから、寓目の向きも少なくあるまい。

 ひな壇に並ぶ李克強・習近平・胡錦濤・栗戦書というお歴々。そのなかで、しきりに書類を見ようとした胡錦濤と、それを阻止しようとする栗戦書。ほどなく係員がやってくる。胡錦濤は腕をつかまれて立たされ、おぼろげに不満の表情を浮かべながらも抗い、しかしけっきょく連れ出されていった。

 その間いつものように、感情をいっさい消した表情で小さく指示を出し、無視を決め込んでいた習近平。胡錦濤に近い立場の李克強は、その習近平の傍らにあって、やはり目をそらして動かなかった。

 さながら一場のドラマである。メディアで関心が高まったのも無理はない。その影像はひろく流布して、ささやかな駄文の記事にまであしらわれたりもした。……

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