米国自ら覇権国としての座を降り、ドル離れが進む。しかしそれが直ちに覇権通貨の交代を意味するわけではない。「世界の安定」は今、薄氷の上にある――。
崩壊へと向かうドル一極体制の先にどのような国際秩序が現れるのか。アムステルダムからロンドン、ニューヨークへと移った通貨覇権の歴史を検証した上で、ステーブルコインを使った米国の通貨戦略、中国によるバンコール型決済通貨構想など、「現代」と「その先」を読み解いていく新連載です。
筆者は、単なる時事解説とは一線を画す、深い洞察による経済分析で高い人気を誇るBNPパリバ証券チーフエコノミスト、東京大学先端科学技術研究センター客員教授の河野龍太郎氏。政治学や歴史学などの知見も交えて現代経済を読み解いた『成長の臨界』(慶應義塾大学出版会)、新書の形式で日本経済、世界経済の見落とされている論点を突いた『日本経済の死角――収奪的システムを解き明かす』(ちくま新書)、『世界経済の死角』(共著、幻冬舎新書)などの著書は、専門家から高い評価を得るとともに、一般のビジネスパーソンにも広く読まれています。
河野氏がダイナミックに読み解く国際金融史は、AI時代を生きるビジネスパーソンにとって一生の武器になるはずです。
【筆者プロフィール】
河野龍太郎(BNPパリバ証券チーフエコノミスト/東京大学先端科学技術研究センター客員教授)
1964年、愛媛県生まれ。1987年横浜国立大学経済学部卒業後、住友銀行(現・三井住友銀行)入行。大和投資顧問(現・三井住友DSアセットマネジメント)、第一生命経済研究所(現・第一ライフ資産運用経済研究所)を経て2000年よりBNPパリバ証券。2023年より東京大学先端科学技術研究センター客員上級研究員、2025年より客員教授を兼務。日本経済研究センターESPフォーキャスト調査総合成績優秀フォーキャスター(予測的中率の高かった5名)に、2023年までに7回選出される。著書に『成長の臨界』、『グローバルインフレーションの深層』(共に慶應義塾大学出版会)、『日本経済の死角:収奪的システムを解き明かす』(ちくま新書)など。最新刊は『世界経済の死角』(共著、幻冬舎新書)。