東大卒の減少分を補うのは
「裏表紙」とは、財務省の歴代キャリア官僚について、入省年次別に出身高校や出身大学、所属部署などがすべて記載された内部文書だ。
「明治時代の伊藤博文、渋沢栄一、大隈重信らから直近の入省者まで網羅され、所属や担当が毎年更新されていきます。今は省内でも広く出回るわけではないので、その存在について『聞いたことはあるけど、見たことはない』というキャリア組も少なくないと思います」(財務省関係者)
そこで「新潮QUE」編集部は、この資料に記載されている財務官僚の出身大学について独自に分析を実施。直近の10年間(平成26年~令和5年)と平成初期の10年間(平成元年~平成10年)を比較して、“最強官庁”の入省者の学歴はどう変わったのか、検証した。
大要をまとめたのが、こちらの図表だ。なお該当が1人に限られる場合は本表からは省略している。
※大学院卒入省者の場合、学部で集計。極一部、大学院しか記載されていない場合は省略。
※2人以上の該当者がいる場合のみ記載。
※大学院卒入省者の場合、学部で集計。極一部、大学院しか記載されていない場合は省略。
※2人以上の該当者がいる場合のみ記載。
まず目につくのは、ダントツといえる「東大法学部」出身者の多さであろう。財務を扱う省庁であるだけに、「東大経済学部」からの入省者数と競い合っていてもおかしくはないようにも思えるが、そこはやはり最強官庁。国内のトップエリートコースには、国内最高学歴からの入省がふさわしいといわんばかりの数値がはっきりみてとれる。
とはいえ「東大経済学部」の存在感も相当なものであることは論をまたない。平成初期から30年ほど経ってもなお、この2学部からの入省者が圧倒的な大多数であり、かつ両者の比率もおおむね3:1前後の水準が保たれているのだ。
ただしこの“二強”が全体に占める割合は、平成初期で8割程度あったのが、直近では5割強にまで減少している。全体の入省者が多少増えた影響もあるとはいえ、その数は219人から、平成を経て231人と計12人の変化しかないため、やはり入省ルートは多様化しているとみてよさそうだ。
人材業界のコンサルタントによれば、
「若年層の官僚離れが年々進んでいます。国家公務員は労働量の多さの割に待遇がそこまで良いわけではなく、また安倍政権下で官僚機構が強く統制されたことが尾を引き、権威も裁量も以前ほどではなくなってきていますから、相対的に民間企業の魅力が高まっているというわけですね。いくらエリートコースの象徴である財務省といってもその影響を免れることはできず、東大以外にも入省者が分散化しているのが現状といえます」
東大以外の“同朋意識”
では東大法・東大経の二強の出身者が減った分を補っているのは、どこなのか。
平成初期に比べて2人以上の増加がみられた大学は以下の通りだ。
慶大 5→18(+13)
京大 11→17(+6)
早大 8→13(+5)
一橋 9→12(+3)
東北 0→3(+3)
北大 0→2(+2)
九大 0→2(+2)
学部まで細かく見ると、増加分が3人以上あったのは以下の通り。