<span>チケット高騰、参加チーム増、警備厳格化――現地で見たW杯「熱狂」の本質と変質</span>
写真:Emilio Garcia/unsplash.com

 大のサッカー好きとして知られる作家の橘玲氏。今大会のW杯はアメリカ・カナダ・メキシコの3か国が共同開催することもあり、グループリーグからその会場は国境を越えて展開する。日本も例に漏れず、アメリカ・ダラススタジアムとメキシコ・エスタディオモンテレイで試合が行われる。橘氏はグループリーグから決勝トーナメントまで日本戦を現地観戦する予定だ。オランダとの熱戦冷めやらぬダラスの街からW杯の今を現地レポートする。

ダラススタジアムに集まった日本のサポーターたち

 オランダはやはり強かった。ボールを持たれるとお互いにプレスはかけずに引いて守る固い試合でしたが、巧みなパス回しでゴール前に入ってくる迫力はかなりのものでした。日本もブロックを敷いて引いて守りましたが、それを突破されて2度先行されてしまいます。

 だからこそ、2点目を取られた後、オランダをゴール前にくぎ付けにした日本の攻撃にスタジアムはすごい盛り上がりでした。前回大会でスペインやドイツに勝ったあたりから日本サッカーのフェーズが変わり、強豪国と当たっても互角にやれるようになってきた。はるばるダラスまで来た甲斐があったと思えるいい試合でした。

 今回の日本対オランダ戦では、ダラススタジアムに約7万人の観客が来場しました。しかし驚いたのは、その半数ちかくが日本のサポーターだったことです。2018年ロシア大会の対ベルギー戦も現地のロストフ・ナ・ドヌで観戦しましたが、それとはまったく比べ物になりません。当時、来場していた日本のサポーターはせいぜい3000人~4000人程度。ベルギーのサポーターも多くはなく、座席のほとんどは無料チケットをもらったと思しき地元のロシア人が埋めていました。

 今回は座席の多くを双方のサポーターが埋め、ほぼ満席。日本から予選リーグ3試合を全部見に来ようと思ったら節約しても100万円近くはかかるでしょう。それでも日本人がこれだけ来ている。さらに、アメリカ在住の日本人や日系アメリカ人と思われる日本のサポーターも多く来場しているようでした。応援の迫力もロシア大会と全く違います。

チケットが高額化するカラクリ

 オランダ戦はメインスタンド側に日本のサポーター、バックスタンド側にオランダのサポーターが振り分けられるような座席配置で、私の席はメインスタンド中央、VIP席の隣でした。

 チケットを予約する際、4月以降は座席指定できるようになったのですが、私が購入したのは昨年末で、カテゴリーを選んだらあとはお任せでした。チケットは大きく2種類で、カテゴリー1が低層階、カテゴリー2が上層階です。カテゴリー2だと選手たちが豆粒サイズでしか見られない席を割り当てられる可能性もあるので、カテゴリー1で購入しました。

 グループリーグのチケットの正規価格は、日本対オランダ戦のような人気カードは450ドル、その他は350ドル(カテゴリー1)ですが、抽選に当たった幸運な人しかこの価格では買えません。それ以外は、今回から始まったFIFAの公式リセールで購入することになります。

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