自民党の「党役員人事」の行方
次の自民党役員人事と内閣改造について、今国会がどのような形で閉じるかが分かりませんし、国民民主党との連立をどうするか、日本維新の会との連立は続くのか、サナエトークン問題がどうなるのかなど不確定要素が多く、現段階で予測するのが難しいところがあります。ですので、今の党内力学や高市総理との人間関係から見てどういう人事になりそうか、あくまでも現時点での見立てになります。
今永田町で囁かれているのは、人事の時期が「お盆明け」になるのではないかということです。党役員人事の焦点の一つは、幹事長のポスト。現在の幹事長は麻生太郎さんの希望に従うという、その1点だけで鈴木俊一さんを据えています。そのため、鈴木さんが幹事長として果たしている役割は極めて限定的です。象徴的なのが「衆議院の解散は新聞で知った」という発言。高市さんとのパイプの細さが伺えます。鈴木さんは幹事長を1年弱務めた、ということで代わる可能性もあるのです。
幹事長が代わる場合、後任で一番順当なのは幹事長代行の萩生田光一さんの昇格です。いまも実質的には幹事長業務を萩生田さんが担っている状況に近いです。鈴木さんを代えて高市さんから遠い人にする理由はないので、高市さんに近くて幹事長ができる人というと、やはり萩生田さんが一番適任と見られます。
萩生田さんを起用する場合、裏金問題は完全に過去のものだというメッセージになります。前回幹事長代行にしたのも、まだ「党四役」には入れないということも理由の一つだったのですが、今年2月に同じ旧安倍派五人衆の一人・西村康稔さんが選挙対策委員長に入りましたから、萩生田さんを幹事長にしてもいいという考えもあります。しかし高市周辺にも党の資金を握る幹事長は別格だという見方もあって、高市総理がどう考えるかということだと思います。
今、党には「国力研究会」もできて、来年の総裁選も見据えて党全体の高市支持の流れを強めていこうという動きがあります。しかし、現在は支持率が高いから党内はまだ静かなのですが、依然としていつガタガタしてくるか分かりません。高市さんが党内の支持基盤が弱い状況は変わっていないので、党内をきっちりまとめるという意味でも幹事長の存在が非常に重要になってきています。
しかし党内には依然として「政治とカネ」の問題の余韻が残っていますし、しかも直近で元参院議員の大野泰正さんが有罪になったりしていますから、今も幹事長は萩生田さんにしないほうがいいのではないかという声があるんです。でも萩生田さん以外に誰か候補者がいるかというと、なかなか名前が挙がってこない。