もし母子手帳に「歯は生後6カ月、体は1歳児」と記されていたら、どの医師もまず記入ミスを疑うでしょう。ところが、イスラエル北部のアムッド洞窟から出土した乳児の化石「アムド7」は、まさにそうした特徴を持っていました。同国オノ・アカデミック・カレッジのビーン博士らが、4月に『カレントバイオロジー』に発表した論文を紹介しましょう。
アムド7は、約5万6千~5万1千年前に生きたネアンデルタール人の乳児骨格です。生後6~14カ月と推定される年齢域のネアンデルタール人の乳児としては、これまでに発見された中で最も保存状態の良い骨格にあたります。博士らは111片にもおよぶ骨の断片を三次元モデルとして復元し、発達段階を見積もりました。