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日産、「英国で中国車生産」で備えるべき「地経学時代の複合リスク」

2026年7月29日


<span>日産、「英国で中国車生産」で備えるべき「地経学時代の複合リスク」</span>
2027年度に英サンダーランド工場の第1生産ラインで奇瑞汽車(チェリー)の乗用車の製造開始を目指す[サンダーランド工場で生産されたEV「リーフ」=2025年12月16日](C)REUTERS/Phil Noble

クとして同時に襲ってくることにある。英サンダーランド工場での生産で中国国有企業をパートナーに選んだ日産は、中国本土からの部品供給に伴う英・EUとの関係悪化や、完成車の輸出先で懲罰的な関税を課される可能性など、政治介入も想定しながら対策をとる必要があるだろう。

 2026年6月3日の夜中、日産は英国サンダーランド工場で中国の自動車メーカー・チェリー(奇瑞汽車)のクルマを生産することについて、法的拘束力のない覚書を交わしたと発表した。同工場の稼働率は5割近くまで低下しており、現地報道では存続を危ぶむ声が出ていた。

 日本国内でも覚書締結が速報で伝えられ、SNS上では日本車メーカーは中国車の下請けに堕ちたのか、と一部で嘆きの声が上がった。かつて現地の日系メーカーで勤務した関係者によれば、1980~90年代の工場開設当時、喜んで英国産の日本車(日産、トヨタ、ホンダ)を買っていたイギリス人は、いま同じように抵抗感なく中国のEV(電気自動車)やPHEV(プラグイン・ハイブリッド車、充電できるハイブリッド車)に乗り換えているという。

 かつて日欧貿易摩擦解消の先鋒と期待された日産英国工場で、何が起きたのか。中国車を現地生産するリスクとは何か。①供給網の問題、②安全保障の問題、③経営としての問題を、地経学の視点で考える。

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