岸田、石破、高市三つの政権に仕えた
いわゆる“日本版CIA”とも呼ばれる「国家情報局」は、我が国初のインテリジェンスに特化した情報機関とされる。だが、これまでも我が国には内閣府、外務省、防衛省、警察庁、公安調査庁などの各省庁に、国内外の情報収集と分析を担う専門部署がいくつも存在していた。それらと「国家情報局」は何が違うのか。
端的にいえば、国家情報局は従来まで各省庁が縦割りでバラバラに収集してきた国内外のあらゆる情報を一元的に集約する強い権限を持ち、客観的な分析を加えて首相官邸、最終的には高市首相に直接届けて政策判断の一助を担うとされる。
その栄えある初代局長に選ばれたのは原和也氏、58歳。警察庁出身の情報機関トップと聞くと強面の印象を抱くが、これまで彼の人物像がこと細かに報じられたことはない。謎のベールに包まれていると言ってもいいのだ。
そもそも原氏が表舞台で自らについて語った機会はごくわずかだ。公に残された肉声は、埼玉県警本部長時代の就任会見で赴任地の印象と抱負を述べたことくらい。最近だと「内調」の新卒採用者向けのパンフレットに登場しているが、そこでも型通りにインテリジェンスの意義を語った程度に過ぎない。
ご存じの方も多いと思うが、ここで言う「内調」は「内閣情報調査室」の略称である。もともと内調にいた約700名いる職員を横滑りさせる形で誕生したのが国家情報局で、その初代局長に就任した原氏は内調トップの内閣情報官を2023年から務めていた。インテリジェンスのプロとして岸田、石破、高市の三つの政権に仕えていたことになるが、ここに原氏の人となりを知る手がかりがあるという。