亡き父をAIで「再現」した息子
「〇〇(息子)やお前、みんな元気にしているか」
画面に映る老父が、iPadをのぞく妻に語りかける。
「えぇお父さん。元気ですよ。〇〇(息子の名前)も」
「それはよかった。嬉しいなぁ」
一見すると、夫が妻とビデオ通話で雑談をする、ありふれた場面に思える。だが、妻が話しているのは、数カ月前に亡くなった夫のデジタル・クローンなのだ。
不思議なのは、この男性の声にAIのような人工性も感じなければ、会話内容もその人固有のものに思える点だ。声の抑揚は老年男性(しゃがれ声)に特有のものに聞こえるし、息子の名前もはっきりと認識している。プライバシーの関係でその後に続く会話は紹介できないが、女性の語りかける言葉に対して、文脈を受け取った上で応答している点も印象的だ。