洗面台の鏡で髪を整える。運転中にバックミラーで後ろの様子をうかがう。私たちは当たり前のように鏡を「自分からは見えない死角を間接的に見るための道具」として使います。改めて考えれば、なかなか高度な技です。鏡に映った像と、本当は別の場所にある実物とを、頭の中で結びつけているのですから。
米ダートマス大学のキーゼラー博士らは、無脊椎動物であるタコも鏡を使って視界外にあるエサの場所を認知できることを発見し、6月の『カレントバイオロジー』誌に報告しています。この能力は、サルやイルカ、鳥など、脊椎動物でしか確認されていませんでした。今回の発見は、その壁を初めて越えたことを意味します。