<span>日本人でも亡命者的に生きられる――岸惠子追悼</span>

『忘れえぬ慕情』。1956(昭和31)年の日仏合作映画。舞台は長崎。監督はイヴ・シャンピ。イヴ・モンタンの映画などで気を吐く新鋭。主演はジャン・マレー。ゲイたるジャン・コクトーの恋人。彼が仏人技師に扮し長崎の造船所に赴任する。石油時代が本格到来。造船国日本にタンカーの注文が殺到。が、タンカーの命は真空ポンプ。この分野では日本は未だし。ゆえに外国人技師が活躍する。彼は長崎で仏語の堪能な美女と出会う。恋に落ちる。呉服店の主人。仏文学者を志していたが家業を継がざるを得なくなった。扮するは岸惠子。ラジオ・ドラマ『君の名は』の映画版でヒロインを演じてスター街道驀進中。

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