ロシアのプーチン大統領が「尊敬する指導者」として名を挙げるのは、ピョートル大帝とエカテリーナ2世。ロマノフ朝300年のなかで「大帝」と呼ばれるのは、この二人しかいない。
北方戦争を21年戦ったピョートルについて、プーチンは開戦後の2022年に「奪ったのではなく、取り返したのだ」と語った。黒海沿岸を手に入れたエカテリーナの南下は、いまのウクライナでの戦争とよく似た形をしている。
モスクワ大公国の領土は、帝政の最後までに560倍に広がった。陸の国家という地理、土地で貴族の忠誠に報いる統治の仕組み、「第三のローマ」という使命感、弱った隣国を逃さない機会主義。上月豊久さんが挙げるこの四つの理由から、クリミア戦争と今回の侵攻に共通する「読み違い」までを考えます。