<span>なるほど・なにくそ・そうですね</span>

 将棋の藤井聡太六冠の口癖「そうですね」が口調を含めて好きだ。9月9日、伊藤匠二冠を退けてタイトルを防衛した王位戦第6局の終了直後の夜のインタヴュー。今の心境とこれからの抱負を尋ねられるとこんな具合。「そうですね、終盤も、そうですね、ずっとどうなっているか分からない感じで、少しそうですね、あの、途中は、ちょっとそうですね、苦しくなってしまったという風に感じる場面もあったんですけれども、まあ何とか、そうですね、粘り強く指すことができたんじゃないかと感じています」。思考もリズムも「そうですね」で回っている。それが何だか心地よい。相手の気持ちを和らげる。ゆえに好敵手にも感染する。9月9日も、藤井六冠の談話を受けた伊藤二冠の開口一番は「そうですね」。六冠と羽生善治九段の会話でも同じケースがあった。普通によく使われる日本語。しかし六冠ほど頻用されるともう“聡太語”とさえ呼びたくなる。

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