食品安全基準の数十倍もの二酸化硫黄が含まれたタケノコが発覚
不自然なほど真っ白な色をしたタケノコを手にするメガネの男性が、いかに危険な食材かを告発する動画は瞬く間に世へ広まった。
困惑した表情で“鼻がもげるような臭いがする”などと訴えた彼は、中国のSNSで「漁猟斉哥」と名乗る環境保護活動家だ。この動画で、9月中旬に広東省の農産物加工場で、食品安全基準の数十倍もの二酸化硫黄が含まれたタケノコの存在が発覚したのである。
見栄えを良くするため硫黄が使用されていたというが、同じ配信者により、8月にも河北省で発がん性が指摘されるホルムアルデヒドに浸された白菜の存在が明らかになったのは記憶に新しい。9月には甘粛省で茎レタスから生鮮食品では違法な着色料が検出されるなど、わずか1カ月ほどの間に、中国では食品を巡る騒動が相次いで起きている。
「過去にも同様の問題は度々起きていて、今年の春先にも硫黄タケノコの存在を当局が発表しています」
とは、中国経済や企業を中心に取材、執筆するジャーナリストの高口康太氏だ。
「こうすれば日持ちする、高く売れるといったノウハウが業界内で共有されているのでしょう。また、中国では食品リスクを避ける方法として“同じものばかり食べない”という方法がよく提唱されます。米でも購入ごとに産地を変える、小麦など別の主食も取り入れるなど、食品の供給元を分散させることが勧められます。仮にどこかの食品に問題が起きても、摂取が微量ならば健康被害のリスクを下げられるとの考え方です」
そもそも、中国で違法薬剤を使う事態がまかり通るのはナゼなのだろうか。
一般社団法人・加工食品診断士協会で代表理事を務める安部司氏が言う。
「中国では近代的な食品加工の歴史が比較的短く、企業によっては添加物などの使い方、残留物質管理の教育が十分でない工場もあります。キチンとしている工場との差が非常に大きいので、この品目が全て危ないとは一概に言えないのです。日本企業との合弁工場なら厳しく管理されているはずだと思いたいところですが、危険性がゼロとは言えません」
いったいどういうことか。
「かつて起きた毒餃子事件は、日本の大手企業が河北省から輸入した商品によるものでしたし、上海の消費期限切れ鶏肉問題ではマクドナルドが巻き込まれています。大手が扱う食材だから安全、安心とは言い切れない国なのです」(同)
未だ食への安全が疑われる騒動が頻出する国の食材。無論、それを選ぶか選ばないかは消費者の自由である。しかし、現状を正確に把握していなければ「選択」することすらできない。
そこで本誌は、身近なスーパーなどで市販されている商品に、野菜のみならず魚介類なども含めて、どれだけ中国産食材が用いられているのか調査を行った。