「サクラ」や「ギチョーッ!」も国対の役目
それは異様な光景だったかもしれない。高市早苗総理の背後にずらりと整列した国会議員たち。総勢30名程がすし詰め状態で委員室の出入り口まで連なり、総理の答弁ごとに大きな拍手と「そうだ!」「異議なし」等の合いの手を入れる。特別国会最終盤の7月15日、党首討論の場で悪目立ちして「サクラ」「喜び組」などとネット上で揶揄された彼らこそ、国会対策委員会(国対)に所属する1年生議員たちだ。
自民党の場合、当選1期は全員自動的に国会対策委員会の委員に就任する。毎朝開催される国対正副委員長会議とは別に、1・2期生も参加する国会対策委員会は週2回程開かれ、国会提出が予定される法案についてのレクチャーが行われたり、時には若手議員に議員としての品格ある振る舞い、マスコミ対応などの教育が行われることもある。
1期生でも国会対策委員会への出席率や会議での振る舞いが評価され、本会議での「登壇」(議長の前の演壇で党を代表しての発言)の機会を与えられることもあるし、2期・3期の若手議員の出世の登竜門と言われる「議事進行係」も国対メンバーから選出される。「ギチョーーーーーッ!」「……されることを望みまーーーーーす!」衆議院本会議の冒頭や終盤、突然大きな声を響かせるあれだ。独特の議事進行の合図であり、ギチョー(議長)は7秒、望みますは6秒伸ばすという方式が、自民党国対で脈々と引き継がれてきた発声のコツだ。歴代の議事進行係には、竹下登、海部俊樹、羽田孜、森喜朗、岸田文雄ら総理経験者、女性初の野田聖子や小渕優子などそうそうたるメンバーが名を連ねる。
高市流の「役職希望アンケート」
高市内閣として初の内閣改造・党役員人事を控え、お盆明けに自民党は2期生以上の所属衆議院議員向けに「役職希望アンケート」を配布した。差出人の名前は鈴木俊一幹事長となっていて、大臣など政務三役や幹事長など党四役をはじめとする役員、国会の委員長など希望する役職を第5希望まで書き込む形式だ。これまでは主に派閥がそういった人事の調整を行うべく、派内で調査票の回収を行っていたし、幹事長室としても5期以下の議員を対象に希望を聞く同様のアンケートを行っていた。回答対象が総理・閣僚経験のあるベテラン議員まで含まれたことは高市流だ。
閣僚人事は、時の総理に人事権があり、限られた側近、派閥の会長などにより、阿吽の呼吸で決められていた。入閣レベルの議員には党内外に認められる得意分野など族議員的要素も含めたそれなりの特性があったし、選挙区事情や「政治とカネ」問題などの身体検査も含めて派閥がある程度状況を把握した上で、入閣要請をしていた。つまり、閣僚就任後、万が一不祥事など問題が起こった場合にはその進退も含めて派閥も責任をとる、との認識だ。