<span>2040年、AI時代に「新興宗教」が隆盛する――『スマホ脳』著者が予測する残酷すぎる未来 </span>
「新しい技術」が人類にもたらしてきた歴史とは--活版印刷を実用化したグーテンベルクを描いた歴史画 (C) Science Photo Library via Reuters Connect

特集|社会

Vol. 10

2040年、AI時代に「新興宗教」が隆盛する――『スマホ脳』著者が予測する残酷すぎる未来

2026年10月30日

AI技術の進化が10年前には想像さえできないレベルにまで到達する中、もはやAIの「この先」を予想するのは不可能に近い。だが、新しい技術が人類にもたらしてきた歴史は、未来の輪郭も浮かび上がらせる――。『スマホ脳』著者の精神科医、アンデシュ・ハンセン氏は、人類の“脳の仕組み”から、2040年の未来を展望する。(聞き手・文=湯浅大輝)

AI時代の“空虚”に、人類は「宗教」を求める

 2040年にAIがどんな未来をもたらしているか、予想するのは困難です。今から14年前の2012年に「2026年の社会の姿を想像してほしい」と聞かれても、「今より機能が増えたiPhoneが登場し、面白いテレビドラマがいくつか作られていただろう」と答えるのがやっとだった、と思います。

 ただ、現代社会における未来予想が興味深いのは、具体的な姿はわからない一方で、「世界は急速に変化するだろう」という一点においては、ほとんどの人が同意する点です。

 つまり、未来は具体的にどんな姿になっているかは分からない、ただテクノロジーが仕事・生活・価値観・文化を劇的に変化させるだろう、という点については誰も異論を挟めないのが現代ということです。

 2040年の未来を決定づける技術は間違いなくAIでしょう。AIはすでに現代の「知性」になったと思います。AI自身が判断し、エージェントとして自律的に行動し、人間社会に大きな影響を与えています。

 そもそも、人類は私たちと同程度、あるいは私たちより賢い存在と共に暮らした経験がありません。加えて、これほどAIが人間に不可欠な存在になりつつあるのに、大多数の人々は実際にAIがどう動いているのかを理解していない、という点もまた不気味です。

 そんなAIは、2040年の人類にどんな影響を与えているのでしょうか。まず、楽観的なシナリオを考えてみますと、医学研究において黄金時代を迎える可能性があります。

 これまで不治の病だと考えられていた病気に対して、AIが人間には不可能な方法で新しい薬を作り、治療法を確立するかもしれません。

 その一方で、スマホやSNSでただでさえデジタル中毒になっている現状を、AIがより悪化させるかもしれません。AIはSNSのアルゴリズムよりはるかに強力に、人間の注意力をひきつける技術を持っていますから。

 つまり、画期的な研究を生み出すなど、AIによって自らの可能性を開発する人類と、何も分からずにAIに言われるがままに画面中毒になる人類というふうに、二極化する未来が想像されるということです。

 悲観的なシナリオについても展望しておきましょう。

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