※本稿は「週刊新潮」2018年1月4日・11日号に掲載された特集を元に再構成したものです。また、年齢や肩書、年代表記等は当時のものです。
岸信介、安倍晋太郎、安倍晋三が、三代に渡って訪れた
すっきりとした美しい筆致の「仁寿(にんじゅ)の湯」は岸信介、一筆書きのような勢いと力強さがある「弥生の湯」は安倍晋太郎。それぞれの揮毫の扁額が浴場入口に掲げられている。山口県湯田温泉山水園は、岸信介、安倍晋太郎、安倍晋三が、三代に渡って訪れた温泉旅館だ。
4000平方メートルの敷地に、客室はわずか14室だけ。国の登録記念物である日本庭園には剪定された松、皐月(さつき)、躑躅(つつじ)、紅葉(もみじ)が見事に整い、丸々と太った錦鯉が泳ぐ池には滝が落ちる。
岸信介は、この庭を望むに最もよい特別室「桐の間」を好み、いつも座敷から静かに庭を眺めていた。部屋は100平方メートルもの広さがあり、今も大正初期に作られたそのままの状態で泊まることができる。……