連載|社会

Vol. 20

「フーシ派」と地政学の“新常識”

2026年9月29日


<span>「フーシ派」と地政学の“新常識”</span>

ホルムズ海峡に代わる重要な輸送ルート

 世界秩序を動かすのは、大国だけではない。地図の上では小さな勢力でも、世界経済の急所を押さえれば、大国を動かすことができる。現在のフーシ派がその典型だ。イランの支援を受けるフーシ派は、イエメン西部で勢力を拡大し、紅海とアデン湾を結ぶバブ・エル・マンデブ海峡への影響力を強めている。港湾都市モカを制圧し、海峡中央の要衝ペリム島へ進出したことで、世界有数の海上交通の急所を直接脅かす能力を持つに至った。

 テレビ朝日は9月12日、次のように報じた。

〈バブエルマンデブ海峡は、ホルムズ海峡に代わる重要な輸送ルートです〉(9月12日「テレビ朝日」)

 ここが問題の核心だ。この海峡は、巨大な高速道路の料金所のような場所である。欧州とアジアを結ぶ船舶がスエズ運河を利用するには、この狭い海峡を通らなくてはならない。料金所が一カ所閉鎖されれば、高速道路全体が機能しなくなるのと同じだ。船舶は喜望峰へ迂回できるが、航海距離、燃料費、保険料、輸送日数は一気に増える。

おすすめの記事

すべて見る
戻るボタン 次へボタン

注目の特集

すべて見る
戻るボタン 次へボタン

おすすめの電子書籍

すべて見る
戻るボタン 次へボタン

おすすめの動画

すべて見る
戻るボタン 次へボタン

ニュースレターを購読する

新潮QUEは、「問う力」を養っていくためのサブスクリプションサービスです。

無料登録する