イラン戦争は、海峡をめぐる戦争から、「接続」そのものをめぐる戦争へと移りつつある。
前稿では、イスラマバード合意は戦争を終わらせたのではなく、「停戦条件をめぐる戦争」を「合意文の解釈をめぐる戦争」へ変換したと論じた。ホルムズ海峡では、自由航行の回復ではなく、誰が通航を管理し、誰がその対価を得るのかが争点となっていた。他方、バーブ・ル=マンデブ海峡では、フースィー派が海峡を支配するのではなく、サウジアラビア関連船舶への選択的な通航拒否を通じて、紅海側の出口を不安定化させていた。
そこで見えてきたのは、イランが中東を統治する覇権国家になったわけではないが、イラン抜きの中東秩序を成立させない拒否権を持ちつつあるという構図だった。
だが、現在起きていることは、その次の段階である。ワシントンは6月のイスラマバード合意に戻るつもりがないと述べ、海上封鎖に加えて航空制裁を通じてイランの空の回廊を閉じようとしている。さらに、潜在的には陸上の接続路も圧力の対象になり得る。イランが外部世界とつながる海、空、陸の経路を、誰が閉じ、誰がそのリスクを負うのかーーこれがイスラマバード合意後の新たな焦点である。
この封鎖線は、第三国の空港、米軍基地、航路・海峡、そして陸上の国境をも、新たな報復対象に変えるリスクがある。戦争は、空港の発着表、国境の通関窓口、タンカーの航路、航空会社の給油契約といった日常業務のなかにも染み込み始めている。
対イラン航空封鎖——空の回廊を閉じる戦争
米国は、戦闘機を用いた古典的な航空封鎖ではなく、イランの航空会社に着陸、給油、発券、整備、地上支援を提供する第三国企業や空港を制裁対象にすることで、イランの民間航空を国際ネットワークから切り離す「制裁による航空封鎖」でイランの空域を閉じようとしている。