相手国が情報公開で被る不利益を計算するのも外交
外交では、何を語るかと同じくらい、何を語らないかが重要だ。ウクライナのゼレンスキー大統領が国連総会で明らかにした北朝鮮の捕虜の韓国移送をめぐる騒動は、そのことを改めて考えさせる出来事だった。
ゼレンスキー氏は9月23日(米国時間)、ニューヨークで行われた国連総会の一般討論演説で、ウクライナ軍が捕虜にした北朝鮮兵2人を「最近、大韓民国に送った」と明らかにした。2人は2025年1月、ロシア西部クルスク州でウクライナ軍に拘束され、その後、韓国への亡命意思を示していたとされる。
問題は、ウクライナが2人を韓国に移送したことではない。本人の意思を尊重して北朝鮮への送還を避けたことは人道上、適切だった。韓国側が問題にしたのは、その事実をゼレンスキー氏が国連という最も目立つ舞台で公表したことだ。