連載|カルチャー

Vol. 20

元気な明るい老人は幸せに見えるが……

2026年10月8日


<span>元気な明るい老人は幸せに見えるが……</span>

 僕に残こされた時間は、長くて3、4年。短くて1、2年以内のように思います。90歳という年齢は人間の限界ぎりぎりのように思うのです。100歳時代なんていって、区切りがいい数字のために無理矢理年齢を引き伸ばして人間の限界に挑戦しようとしていますが、寿命に目標など立てること自体がおかしく、何の根拠もないことです。

 このような根拠のない目標のために多くの人達はただ長生きしさえすればいいと思って、長生きを人生の目標にしてしまっているのです。テレビでは元気な老人が登場して、健康を誇っています。人が生きる目的と理由が長命にすり代えられているのです。自らの精神的な意識向上を目的にするのではなく、まるで人生をスポーツのように、長命をマラソンのゴールと考えて、ただ走り続け、人間の生存理由にしてしまっているように思えてならないのです。そしてそのことを誰も問題にしません。むしろ奨励しており、社会もマスコミも、この運動をあおっています。

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