AIに関する司会者の問いにプーチン大統領は
ロシアのプーチン大統領は、人工知能(AI)の本質をかなり正確に理解している。10月1日、モスクワ郊外で開催された国際有識者会議「ヴァルダイ・クラブ」の第23回年次総会での発言から、それが読み取れる。
プーチン氏はAIを単なる便利な道具とは見ていない。人間の知的能力と国家の意思決定を根底から変える技術として理解している。しかも、その危険性を警戒しながら、開発を止めようとはしない。この両面を押さえている点が興味深い。
プーチン氏は、AIの発展が人類の知的水準や文化に及ぼす影響を問題にした。アルゴリズムによって人間が画一化され、個性を失う「デジタル全体主義」は、過去の全体主義と同様に非人間的なものになるという。ロシア政府自身が言論統制とインターネット監視を強めているのだから、矛盾した発言である。しかし、発言者への評価と発言内容の分析的価値は区別しなくてはならない。AIによる情報操作が人間の判断を誘導する危険は、民主主義国家にも共通するからだ。