連載|社会

Vol. 24

死亡説を打ち消した「金正恩」の生き残り術

2026年11月3日


<span>死亡説を打ち消した「金正恩」の生き残り術</span>

中ロ朝を一括して反米陣営と呼ぶだけでは見えないもの

 北朝鮮の金正恩総書記が10月24日、中国遼寧省丹東を訪問した。中国共産党序列4位の王滬寧・全国政治協商会議主席が出迎え、朝鮮戦争での中国の参戦を記念する施設などを訪れた。崔善姫外相や金正恩氏の妹の与正氏も同行した。中国との「血盟」を再確認する外交であるとともに、直前に流れた金正恩氏の死亡説を打ち消す効果を持つ訪問だった。

 韓非子は、

〈人々が愛情にもとづいてこちらのために働くのを頼みとするのは、危険である。こちらのために働かずにはおれない方法をこちらで備えてそれを頼みとするのが、安全である〉(『韓非子 第一冊』金谷治訳注、岩波文庫、1994年)

 と述べた。本来は君主と臣下の関係を論じた言葉だが、国家間の関係を考える際にも示唆がある。友好の感情だけを当てにせず、相手にも協力する利益が生じる関係を築く。金正恩氏の対中外交は、この観点から読む必要がある。

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