昨年末以来、ウクライナ情勢が緊迫化する中、ウクライナ政府だけでなく欧米政府も警戒を強めてきたのが、ロシアからのサイバー攻撃だ。何故ならば、ロシアは、軍事攻撃に情報操作やサイバー攻撃を組み合わせ、戦略目標を達成する「ハイブリッド戦」を今までも行ってきたためである。
よく知られているのが、2014年のクリミア併合時の事例だ。ロシアは軍事侵攻前に大規模なサイバー攻撃を行い、ウクライナ軍の通信をダウンさせてしまった。また、ソーシャルメディアを使って偽情報を広げ、マスコミにも取り上げられるようにし、ウクライナ国内における混乱拡大を招いたのだ。
制裁措置への報復としてのサイバー攻撃
現在懸念されているシナリオは4つある。
第1に、ウクライナ軍や政府の対応を妨害し、国内でパニックを引き起こすため、ウクライナ国内の電力、交通、金融、通信などの重要インフラ企業に業務妨害型のサイバー攻撃を起こすことだ。……