3月19日朝、ウクライナと国境を接するルーマニア北部シゲトゥ・マルマツィエイは冷たい風が吹いていた。国境を分かつ幅数十メートルのティサ川の流れは速く、川面はところどころ波打っている。この日の最低気温はマイナス1度。手を触れると、雪解け水で濁った川は氷のような冷たさで、指先にピリッとした痛みを感じた。
ルーマニア国境警察のブラド・マルキシュ巡回班長(24)は言った。
「ウクライナからの密入国者が川を泳いで渡るのはほとんどが夜です。危険ですが、彼らはウクライナ当局に見つかって兵役に送られないよう、なるべく目につかないようにしていますから」……