政治

「マジャル現象」は保守をもって保守を制するか:オルバーン政権のスキャンダルと保守新党台頭の行方

2024年6月6日


<span>「マジャル現象」は保守をもって保守を制するか:オルバーン政権のスキャンダルと保守新党台頭の行方</span>

今年2月に表面化し、大統領の辞任にも発展した児童性的虐待関連の恩赦をめぐるスキャンダルは、オルバーン政権に決して軽くない打撃を与えている。国民の反発はオルバーン大統領に向かい、与党フィデス内部にも批判の声が上がる中、急速に支持を集め始めたのがマジャル・ペーテルとその保守新党「ティサ(TISZA)」だ。第二次オルバーン政権で重要な役割を担いながらも一定の距離を置いてきたマジャルは、ハンガリーの有権者から支持を獲得するには十分な条件を備えている。現時点で政権を揺るがすまでには至らないものの、欧州議会選の結果次第では与党分裂につながる可能性も指摘される。

 ハンガリー国民は2010年から現在まで続くフィデス(Fidesz)政権を、そしてオルバーン・ヴィクトル首相をどの程度支持しているのだろうか。

 2022年4月に行われた総選挙で、与党は憲法改正に十分な3分の2以上の議席を確保し、オルバーン首相は 「月から見えるほどの大勝利」と表現した。反移民や反EUを訴えることでEUへの失望や不満を取り込み、そしてロシア・ウクライナ戦争の早期終結と物価上昇対策を強調することで戦争による負担増への不満を吸収する形で、フィデスへのハンガリー国民の支持の根強さを見せつけた1

 しかし、オルバーン政権は、2024年初頭に就任以来初めての大型政治スキャンダルに見舞われ、盤石かに見えた欧州議会選挙においても新政党への支持の急増という政治的な課題に直面している。こうした揺らぎは、EUの加盟国でありながら権威主義化を進めるオルバーン政権による言論の自由への締め付けの限界を浮き彫りにしている。

  • オルバン政権のブレーンに聞いた「なぜハンガリーは親ロシア外交を続けるのか」
  • 「オルバン・ハンガリー」と共鳴する米「親トランプ保守」

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