政治

「令和の米騒動」と「減らない兼業農家」と「高温耐性品種の進まぬ普及」の悩ましき因果

2024年9月6日


<span>「令和の米騒動」と「減らない兼業農家」と「高温耐性品種の進まぬ普及」の悩ましき因果</span>

コメがスーパーの棚から消えた。インバウンド需要や南海トラフ地震の緊迫化、2023年夏の高温のせいだという見方が強いが、より直接的な要因として米の作付けが減ったことが見逃せない。ここに、どれだけ生産性が高くても、どれだけ品質がいいコメを作っていても、そうではない農家と同じ割合で減らすべき面積が配分された「一律減反」などの構造問題が加わっている。「令和の米騒動」が起きた背景には根深い歴史的な要因がある。

 農林水産省が7月30日に開いた食料・農業・農村政策審議会食糧部会で配布された「米の基本指針(案)に関する主なデータ等」。この資料に、今回のコメ不足のからくりが概説されている。

 すなわち、2023年産において作柄が平年通りなら、我々が普段食べている「主食用米等」の生産量は669万トンとなるはずだった。ところが実際には661万トンと、8万トン減った。

 これは、思いのほか作付面積が減ったことが影響している。農林水産省は全国の作付面積を125万1000ヘクタールで想定していたが、実際には124万2000ヘクタールと9000ヘクタール少なかった。同省は「農家の高齢化に加え、作付け意欲の減退や飼料用米への転換が拍車をかけた」とみている。コメ卸の関係者は「コメが安いので、転作したのだろう」と付け加える。

コメはパンや麺類よりも“値ごろ感”が生まれていた

 生産量が減ったところに、消費量が増えた。その要因は物価の高騰だ。パンや麺などほかの主食が軒並み値上がりするなか、それでもコメは相対的に値ごろ感がある(図1)。……

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